セピア


「憶えていますか?貴方と見た桜の木を。
憶えていますか?貴方と初めて手を繋いだ時の事を。
長いようで短い時間、貴方と歩んだ私にとっての
桜並木道・・・。」



幸せは永遠じゃないから
だから幸せだと感じることが出来るの
幸せが永遠に続くのなら
其れは幸せではなくただの退屈だから


貴方と過ごした思い出 今はセピアに色褪せて
貴方から持ちかけられた 別れ話
突然の事でどうしていいか分からないまま
ただ頷いて 涙を見せないように俯いて・・・


「憶えていますか?付き合って最初の1ヶ月。
記念日だ、なんて言って手渡してくれた花束の事。
長いようで短い時間、貴方と歩んだ私にとっての
今は霞んでしまったセピア色した桜並木道。」


ただ貴方が傍に居るだけで私は幸せだと思ってた
あれもこれもなんて欲望はなかった
なのにどうして貴方は私と別れる道を選んだの?
あんなにお互い幸せだったのに
其れは私だけの勘違いなの?


抑えきれない胸の痛みだけは色褪せない
薄れ行く記憶と共に痛みを増すだけの私のココロ
今でもまだ貴方だけを忘れられない 忘れたくない
ただただ貴方との淡い記憶を抱き締めて
色褪せてしまったあの頃のキオク


「もう一度、貴方と歩いたあの道へ
霞んでしまったあの場所へ、歩いていきます。
振り切ることが出来ない私が此処にいます。
だから、またあの道を一人あるこうと思います。
色褪せて、崩れ行く私の記憶をまた・・・。」


同じ道はまた 色鮮やかに咲き乱れる
だけど、貴方との過去は今もセピア色



3:50 2005/07/31   poem by 神無月ヒカル